

不倫問題カウンセラーの花田好久です。
「罵倒村」という配信番組をご存知でしょうか?
この番組では、アンジャッシュの渡部さんの不倫がいじられるのが恒例となっています。
同番組内で、不倫をいじられた(責められた)渡部さんが、「あれから、もう5年も経ってる」と言うシーンがあります。
他の出演者が、「5年経っているのに、まだ不倫を責められるの!?」と驚く場面もありました。
配信番組等で、渡部さんの不倫がいじられるのは、ある種のネタになっているのは確かです。
渡部さん自身も、それを分かっていて、芸人として振る舞っているわけです。
ただ、「もう5年も経っているのだから、そろそろ許して欲しい」というのは、彼の本心でもあると思います。
特に、渡部さんのように、不倫を反省して、やり直しの努力をしている人ほど、そう思うのでしょう。
夫にとって、自らの不倫という過ちに向き合い続けるのは辛いものです。
不倫の過去を思い出す度に、罪悪感、後悔、自己嫌悪など、辛い気持ちを感じて落ち込んでしまいます。
一方で、不倫をされた側の佐々木希さんは、テレビ番組のインタビューで、「まだ許すことは出来ない」と語っていましたよね。
彼女の中では、(不倫から)「もう5年」ではなく、「まだ5年」なのだと思います。

何年経てば夫の不倫を許せるようになるか、忘れられるのかは、個人差が非常に大きいと言えます。
私のカウンセリング経験からすると、数年経てば許せる(忘れられる)とは限らず、不倫の過去は一生許せない、完全には忘れられない、という方も多いです。
※許せない(忘れられない)からといって、妻の心が回復しないわけでも、夫とやり直せないわけでもありません。
ですから、渡部さんの「もう5年経ってる」というセリフには、とても違和感を感じました。
他の出演者の反応(5年経っても責められるの?)に対しても同様です。
妻にとっては「まだ5年」なのに、夫や第三者から「もう5年」と思われるのは辛いものです。
「もう5年」には、「そろそろ許して欲しい(許してやったら)」という意味も含まれていますからね。
こうしたプレッシャーは、妻の心の回復を阻害することになります。
ですから、夫が妻とやり直したいのなら、「もう5年」みたいな言い方は止めるべきですね。
もっと言えば、不倫の罪を、「許してもらおう」「忘れてもらおう」という考え自体がダメなのです。
その考えがあるから、「もう●年経った」という発言が出てくるわけです。
不倫を「許してもらおう」「忘れてもらおう」という考えは捨てて、「許したくても許せない」「忘れたくても忘れられない」という妻の気持ちに寄り添い続けることが大切です。
夫が常にその姿勢でいてくれることが、妻の安心、心の安定につながります。
その結果、妻の心の回復も早まるかも知れませんよ。

花田好久(はなだよしひさ)。不倫問題カウンセラー。1975年2月生まれ。既婚。福岡県出身。福岡県在住。
男性カウンセラーの特性を活かし、不倫をする夫の心理を読み解くのを得意とする。
相談者や読者からは「不倫を解決できた」「心が救われた」「勇気づけられた」と、多数の感謝と支持の声が寄せられている。