不倫問題カウンセラーの花田好久です。
不倫が終わっても、貴方が不倫をした過去の事実は変えられません。
不倫後、妻とやり直すということは、その過去を踏まえて、妻と新たな夫婦関係を築いていくということです。
そのためには、夫にはそれなりの姿勢・態度で臨むことが求められます。
夫の姿勢・態度に問題があると、
「口ではやり直したいとか、反省しているとか言っているけど、夫の姿勢や態度からは全然そう思えない」
などと、妻の怒りを買ったり、不信感を持たれてしまいます。
妻の心を癒すどころか、さらに怒らせたり不信感を与えてしまっては、妻とのやり直しは困難です。
不倫が終わって妻とやり直すに当たって、夫にはどのような姿勢・態度が求められるのか?について、以下で詳しくご説明します。
あなたは、「不倫は100%オレが悪い」と認めることができますか?
「夫婦関係については妻にも改善して欲しい点はあるけれど、それは不倫の言い訳にはならない」
「不倫したこと自体は、100%オレが悪い」
そう言い切るのに抵抗を感じる方は、不倫を十分反省できていない証拠です。
不倫を十分反省出来ていないと、妻とやり直す過程でどんどん不満がたまっていきます。
「どうしてオレだけが責められないといけないんだ」「妻だって悪いところは沢山あるじゃないか」と言いたくなります。
夫が不満げな態度でいると、妻は辛い気持ちを吐き出しにくくなります。
そうなると、心の回復は遅れてしまい、いつまでたっても以前のような笑顔の妻には戻ってくれなくなります。
また、不満やストレスが溜まって、再び不倫に手を出してしまう恐れもあります。
このように、不倫を十分反省できていないと、自分のためにも妻のためにもならないのです。
「不倫は100%オレが悪い」と認める覚悟のない方は、中途半端に妻とやり直そうとしないで下さい。
「他に戻るところがないから」「離婚すると色々面倒だから」といった理由で戻って来られても、妻ははっきり言って迷惑です。
妻とやり直したいのなら、まずは、夫に不倫をされた妻の立場に立って、妻の気持ちを想像してみて下さい。
(ここでは、自分を守る気持ちは一旦棚上げしておくのがポイントです)
妻は、あなたを愛し、あなたを信じ、あなたのため、子供のため、家族のためにここまで頑張ってきてくれました。
その頑張りに感謝をされるどころか、不倫という形で裏切られてしまった・・。
そんな妻の気持ちを想像してみて下さい。
「感謝が足りないのは妻も同じじゃないか」と思った方もいるかも知れません。
仮に、妻の感謝が足りなかったことが事実だとしても、妻は不倫という形で裏切ることはしていません。
そこが、不倫をしてしまったあなたとの決定的な違いです。
いつまでもグズグズと「オレも悪いが妻も悪かった」などと、痛み分けを狙うのは止めましょう。
不倫をしたことはあなたが100%悪いのです。
潔く負けを認めるのがホンモノの男らしさというものです。
だからといって、不倫をした夫には、一生何の発言権も与えられないわけではありません。
妻に改善して欲しい点があるのなら、率直に伝えても良いのです。
※妻への改善の求め方は、不倫反省本第3章7.「妻に改善して欲しいことがある」を参考にしてみて下さい。
ただし、不倫で妻の心を傷つけてしまった以上は、妻の心の回復が先決です。
自分の要望は後回しにするべきでしょう。
不倫で傷ついた妻の気持ちを想像して、「本当に悪いことをしてしまった」と心から反省できれば、「不倫は100%オレが悪い」と認めることが出来るはずです。
妻とやり直そうとするのは、そう言い切れる自分になってからにしましょう。
妻が夫の不倫の記憶を完全に忘れられるかというと、それはなかなか難しいことです。
忘れようとすればするほど、かえってとらわれてしまい、苦しくなってしまいます。
このような、不倫を忘れたくても忘れられない妻の心情や苦しみを、夫は理解してあげないといけません。
(※個人差はあるものの、心の回復と共に思い出す頻度は減っていきますし、思い出したときの辛さも和らいでいきます)
では、一方の夫はどうでしょうか?
一般に、自分がしでかした失敗や過ちというものは、やった方からすれば、一日も早く忘れてしまいたいものです。
「オレはなぜ、不倫などという愚かなことをしてしまったのか・・」という後悔や自己嫌悪。
妻に対する罪悪感。
自業自得とはいえ、そんな気持ちでいるのは夫にとっても辛いものです。
辛い気持ちから逃れてラクになるには、不倫を「もう終わったこと」だとして、忘れてしまうことです。
自分が犯した不倫という過ちを忘れることで、嫌な自分ともおさらばしたい、というわけです。
※妻に対して、「不倫のことはもう忘れろ」と言う夫は少なくありません。
※妻に不倫を忘れさせようとするのは、妻とやり直す際にやってはいけないNGな言動の一つです(不倫反省本第2章3参照)
そこには、「忘れた方が妻もラクになる」というだけではなく、「自分が忘れたいから」という動機も含まれているのでしょう。
不倫という過ちを犯したからといって、夫がこの先毎日、後悔と自己嫌悪の日々を送り続けないといけない、というわけではありません。
しかし、夫は自らの不倫で、妻に、忘れたくても忘れられないほどの心の傷を与えてしまいました。
そのことは、自分への戒めのために、忘れてはいけないのだと思います。
「妻が忘れられないから自分も忘れない」ではなく、自分への戒めのため、忘れまいと心に誓うことが大切です。
不倫から数年経ち、妻の心が落ち着いてきたとき、また不倫の落とし穴に堕ちる夫もいます。
そういう過ちを繰り返さないためには、不倫という過ちを忘れまいと、努力をすることが必要なのです。
不倫が「やってはいけないこと」「悪いこと」であるのは、誰しも理解していると思います。
不倫は妻の心をひどく傷つけ、夫婦の信頼関係を壊してしまいます。
ですから、不倫は決してやってはいけない悪いことなのです。
不倫がバレた後になって、「夫婦関係に不満があったのどうの」と言い訳したところで、不倫という悪いことをした事実は変えられません。
夫婦関係への不満は、妻ときちんと向き合い、話し合って解決すべきことです。
夫婦関係に不満があったことが事実でも、それは不倫を正当化する理由にはならないのです。
どのような経緯があるにせよ、不倫をしてしまった時点で、妻から怒りをぶつけられるのは当然のことです。
両親からは、「家庭を壊すようなことをして、一体何をやっているのか!?」などと、厳しく叱責されることもあるでしょう。
不倫相手に別れを切り出すと、「私とのことはやはり遊びだったのね!?」などと非難されることもあります(不倫相手は自業自得ではありますが)
子供からも「お母さんを悲しませるようなことをして、お父さん最低!」などと軽蔑されることもあるでしょう。
しかし、不倫という悪いことをしてしまった以上、非難されたり、叩かれるのは仕方のないことです。
それまで一生懸命家族のために働いてきたとしても、不倫をした罪が帳消しになるわけではありません。
つまり、不倫後、妻とやり直すには、「叩かれたり、責められる覚悟」が必要なのです。
その覚悟が足りない方は、妻や周囲の人に対し、「オレだけが悪いのか?」とスネたり、ふてくされたりしがちです。
叩かれるストレスに耐えきれず、離婚でリセットして逃げようとする方もいます。
確かに、周囲から一斉に叩かれ、責め立てられるのは大変辛いものです。
しかし、そこでふてくされた態度を取ってしまうと、妻から「この人はやはり反省していない」と思われてしまいます。
一時的なストレスから逃れるために離婚をしてしまうと、一人になってから後悔することにもなりかねません。
本気で妻とやり直したいのであれば、一時的に叩かれる覚悟をしっかりと持つべきです。
「オレだけが悪いのか?」
「どうしてこんなに叩かれる?」
そうした不公平感を感じるときというのは、不倫で妻がどれだけ傷ついているか、どうして妻が夫を責めてしまうのかについて、理解がまだ不十分なのかも知れません。
不倫反省本第3章3.「妻から不倫を責められて辛い」では、妻が夫を責める理由について解説しています。
その理由が分かれば、「自分も叩かれて辛いけど、もっと辛いのは妻の方だよな・・」と思えるようになるはずです。
そういう心境に至れば、「どうしてオレだけが叩かれる?」という不公平感は感じなくなるでしょう。
夫の不倫が終わったばかりで、妻の怒りや落ち込みが激しく、精神状態がひどく不安定だとします。
不倫を反省している夫なら、そんな妻の様子を見て、「「何とかしてあげないと」と思うものです。
私のカウンセリングのご相談者さまの中にも、妻の心の回復のため、努力を重ねている夫も少なくありません。
ケースバイケースではありますが、不倫が終わって2〜3年経つ頃には、妻の心も徐々に回復に向かっていきます。
夫に怒りをぶつけたり、落ち込むことも少しずつ減っていきます。
それに伴い、妻が夫の支え(辛い気持ちに寄り添ってもらうなど)を必要とすることも減っていきます。
妻の心が回復してきて、元気を取り戻してくれると、夫はすごく嬉しいものです。
しかし、そこで気を抜くのはまだ早いと言えます。
妻が元気に過ごせる日が増えてきたとしても、心の傷がすっかり癒えたとは限りません。
何かのきっかけで不倫のことを思い出し、辛くなるときもあるはずです。
「夫がまた不倫をするのでは?」という不安も、頭の片隅にあるでしょう。
妻がそういう状態なら、妻の心はまだまだ回復途上にあるということです。
それにも関わらず、夫が気を抜いて、妻の心の回復を支える努力をやめてしまったらどうなるでしょう?
妻はきっとこう感じて、夫に対して不信感や不満を覚えるでしょう。
「夫は不倫の反省を忘れてしまったのではないか?」
「私の心の傷を軽く考えているのではないか?」
こうした不信感や不満が、新たな怒りとなって夫にぶつけられることもあります。
妻にしてみれば、元気で過ごせる日があるとしても、まだまだ心の傷は癒えていないわけです。
それなのに、夫が勝手に「もう妻は平気だろう」と気を抜いたら、妻は置いてきぼりにされた気分になってしまいますよね。
夫が妻の心の回復を支え、夫婦関係修復の努力を続けて行くのは、精神的にも肉体的にもそれなりの負担がかかります。
ですから、妻が元気で過ごせる日が増えてくると、夫もホッとして、緊張の糸がゆるんでしまうこともあるのでしょう。
もちろん、元をただせば不倫をした夫が悪いのですが、夫も人間ですので、仕方のない面もあります。
とはいえ、夫が気を抜きすぎて、妻のことを放っておいてはいけません。
怒りや落ち込みが激しいときほどではなくても、心が回復途上にある妻には、まだまだ夫の支えが必要なのです。
妻が多少元気になってきても、妻の心の回復状況を、引き続き関心をもって見守り続けていくことが大切です。
夫が常に自分のことを気にかけてくれていることが伝われば、妻も安心して、心の回復もさらに進んでいくでしょう。
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花田好久(はなだよしひさ)。不倫問題カウンセラー。1975年2月生まれ。既婚。福岡県出身。東京都八王子市在住。
男性カウンセラーの特性を活かし、不倫をする夫の心理を読み解くのを得意とする。
相談者や読者からは「不倫を解決できた」「心が救われた」「勇気づけられた」と、多数の感謝と支持の声が寄せられている。